トランスファー成型について

トランスファー成型とは

トランスファー金型は、単純にコンプレッション金型上部へポット型を載せた構造になっています。※下図参照  
金型ポット内で加熱され軟化した材料を、注入穴(ゲート)からキャビティの中に流し込んで加硫させる方法です。 インジェクション成型と似ていますが、大きく違う点がインジェクション成型は機械が自動で材料を計量・充填す るのに対し、 トランスファー成型は成型毎に人の手で1回分の材料を金型ポットへ配置する点です。

コンプレッション成型ですと細かく裁断した材料を、個々のキャビティ―や位置に配置する手間がありますが、 その手間や細かく裁断する手間もトランスファー金型にする事で省くことができます。 また、トランスファー成型は金型ポット内に残ったバリを1回の成型毎に取り除かなければなりません。 このポットのバリは余分な材料となりますが必要となります。
しかし、製品の形状が複雑であったり、金具をインサートする為に材料が配置しにくい場合、精密な寸法精度が 求められる際などにトランスファー金型が用いられます。その理由は、金型が閉じた状態で材料が注入される事 です。余分なバリが出にくい為、寸法が安定したり、インサート金具を金型にしっかりと固定する事が出来るので、 ゴムの流動で動かない事などの利点があります。 難点としては、製品にゲート跡が残ってしまうので外観部品などには不向きとなります。